【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
 

答えを見つけて顔を輝かす私に、専務はゆっくりと長いため息をついた。

「なるほど……」

専務はそういうことかとつぶやいて、口元に手を当てる。

「ってことは、その猫耳と尻尾が見える人は、まだ他にもいるんだ」
「そうですね。うちの両親とか、地元の友達とかもきっと……」
「俺だけじゃないんだね」

私が頷くと、専務はそう不満げにつぶやく。

「専務……?」

なんでそんなに機嫌が悪いんだろう、と不安になって声をかけると、専務がちらりとこちらを見た。

「詩乃ちゃんは北海道の出身だったっけ。頻繁に実家に帰ったりしてるの?」
「いえ。遠いので、年に一度、年末年始に帰るくらいです」

私が答えると、専務は「そっか……」と呟いた。

「……今まで俺にしか見えないんだから、急がなくてもいいなんて思ってたけど、そんなのんきなことを言ってられないな」

その言葉に、私はなぜだか少し寂しくなった。


 

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