【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
「お前そのままでいたら、たぶんあの無愛想猫に呪い殺されるぞ」
冷たい雨を全身に受けながら、千葉くんの言った言葉の意味が分からず、呆然と瞬きをした。
「何言ってるの。ハチが私を呪い殺すなんて……」
趣味の悪い冗談だと笑い飛ばそうとしたけれど、冷たい雨のせいか、体が震えた。
「お前、自分が味覚が変わったの気づいてんのか?」
「え……?」
意味がわからず瞬きをすると、前髪の先から雨の粒が滴った。
ぽたりと頬を伝い落ちていく。
千葉くんは険しい表情のまま口を開いた。
「昔は、魚介類苦手だった。なのに、昨日お前魚ばっかり食べてたな」
「そ、そうだっけ……?」
そんな意識はしてなかったけど、そう言われればそうかもしれない。
「刺し身とか生魚、いつから食べられるようになった?」
食べられないわけではないけれど、自分から進んで食べることはなかった。
それなのに、気がつけば魚を選ぶことが多かったかもしれない。
それは、いつから……?
「でも、そんなの、大人になって味覚変わるのは変なことじゃないし……」
混乱しながらそう言うと、千葉くんは更に顔を険しくさせる。
「嗅覚も、異常にするどくなってねぇ?」
「嗅覚……?」