【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
「なにを笑ってるんですか」
「だって、俺があの時詩乃ちゃんと話してなかったら、あの千葉くんとうまくいってたんだなぁって思って」
「まぁ、そうかもしれません」
千葉くんが嫉妬をせずに、ああやって怒り出さなければ、私ももう少し素直な反応ができていたかもしれない。
「もしそうなってたら、詩乃ちゃんはわざわざ東京の大学に進学しなかったかもしれないし、うちの会社に就職しなかったかもしれない」
「そう言われると、そうですね」
あの頃は、千葉くんと同じ町にいるのがつらくて、早くどこかに行きたいと思っていた。
進学も迷わず道外の大学を選んだし、就職も地元に帰ろうなんて思わなかった。
もし千葉くんとうまくいって付き合い続けていたら、私はこんな選択はしなかったかもしれない。
「詩乃ちゃんがうちの会社に入社しなかったら、こうやってまた出会えなかった」
私の事を抱き寄せながら微笑まれ、思わず頬が赤くなった。