【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
 

「嘘。本当に好きだよ」

耳元で囁やかれ、膨らんだ頬が赤く染まってしまう。

どうしよう。
こういう時は『そうですか』じゃなくて『ありがとうございます』でもなくて。

頭の中でぐるぐる考えながら、こくりと唾を飲み込み、恐る恐る口を開いた。

「わ、私も好きです」

後ろから抱きしめる専務の事を、真っ赤な顔で振り向きながらたどたどしい口調でそう言うと、専務が嬉しそうに笑った。

専務の頬にそっと額をこすりあわせながら目を閉じると、優しくキスをされた。
愛されて満たされて幸せで、少しだけ泣きたくなった。


そんな私達のことを、缶詰に描かれたへたくそな猫が二匹、嬉しそうに見上げていた。

私は十年も前から、ずっとずっとこの人に振り回されていたんだなと思う。
そして多分、これからもずっと。





 

『御曹司様の愛されペット』END


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