【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
「ハチー? ごはん置いておくよー?」
私が首を傾げて声をかけると、『聞こえてるよ』というように、ベッドの上で尻尾を面倒くさそうに動かした。
「いいなぁ、ハチはいつものんびり寝てられて」
のんきなハチに苦笑しながら、鏡の前で身だしなみを整える。
「ハチ、行ってくるね」
そう言うと、ハチは黒い耳をパタパタと揺らし、「にゃーん」と短く返事をしてくれた。
いつもなら、私が家を出るときは足の周りをぐるぐる回ってまとわりついてきて、困るくらいなのに。
ベッドから降りようともしないハチに、首を傾げながらパンプスを履き部屋を出た。