走馬灯
兄ちゃんがいなくなり、

しばらくすると俺は

むしょうに淋しくなった。

ひなはもう帰って来ないのだろうか・・・。


やっぱり俺は

ひながいないとダメなんだ。

帰って来たらきちんと謝ろう・・・。


ひな殴ってごめん。

怒鳴ってごめん。

何度も何度も

謝罪の言葉を繰り返していた。


ふと空を見ると

もう明るくなってきていた。


それでもずっとひなの帰りを待っていた。

でも帰って来る気配がまったくない。


そこから先は頭の中は空白だ。


< 124 / 203 >

この作品をシェア

pagetop