〜甘く、危険な恋〜止まない、愛してる。

「人が見てるから……やめて」

「……俺の体で、誰からも見えない」

拒み切れない唇が、重ね合わされる。

「俺が愛してるのは、おまえだけだ」

言う彼の情熱に、否応もなく捕らわれてしまう。

「……愛してると、言ってみろよ?」

「……愛してる」

濡れた舌先が伸ばされる。

応えようと唇を寄せる、その彼の肩越しに、往来を行く多くの人達が見える。

襲われる羞恥に、目を閉じて、

「……愛してるから、私以外の誰とも、キスなんかしないで……」

唇を合わせる。

「……するわけがないだろう」

口づけを解いて、私の頭を抱き寄せる。




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