おはよう、きみが好きです



「ずっと一緒にいような、泪」

「うん、ずっとそばにいてね……」


八雲があたしの唇に、そっと自分のを重ねた。

あぁ、ずっとこうして体温を分け合えたらいいのにな。

初めからふたりで一つだったみたいに。


***


湖から戻ったあたしたちは、それぞれのテントに分かれて帰り支度をしていた。


同じグループの三枝さんと環奈ちゃんと一緒にテントの中で荷物をまとめていると……。


「あ、あのさ……ヤケドはもういいわけ?」

「え??」



突然、環奈ちゃんが話しかけてきた。

今までなら、絶対環奈ちゃんから話しかけてくることは無かったし、いつも八雲一筋だったのに。


「う、うん、もう大丈夫だよ?」


つい片付ける手を止めて環奈ちゃんに笑いかけた。

もしかしたら、心配かけちゃったかな。

これくらい、どうってことないのにな。




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