おはよう、きみが好きです
『……なぁ泪、アンタは俺と同じ気持ち……じゃないか?』
不安げな声。
いつもの明るさはどうしたの?
八雲はズルいよ……あたしは、その不安げな声を聞いちゃうと、素直に答えるしかなくなるんだから。
「同じこと、思ってる……あたしも、八雲のことを知る度に、嬉しくなるから」
恥ずかしい……のに、伝えられて嬉しいなんて……。
アンビバレンスなこの気持さえ、不思議と心地いいなぁなんて思えてきちゃうのが不思議。
『っ……はぁぁー、泪の声聞いてたら、会いたくてたまんなくなってきたー』
本当に、苦しげに吐き出された言葉に、甘く胸が切なくなる。
会いたくて会いたくてたまらないのは、あたしも同じ。
同じ気持ちを共有してることが、嬉しい。
「八雲に会ったら、あたしも伝えたいことたくさんあるんだ」
あたし……この気持ちを八雲に伝えたいな。
だって、次いつまた会えるか分からないから。
それに、八雲はモテるし……うかうかしてたら、きっと別の誰かのモノになってしまう。
叶うだなんて傲慢なことは思ってない。
ただ、あの日に伝えてればって、後悔したくないだけ。