おはよう、きみが好きです



「あぁ〜っ」



すると、なぜか八雲はあたしの手を握ったまま、目の前にしゃがみ込んだ。

椅子に座っているあたしが、八雲を見下ろす感じになる。



「もう泪って本当男心くすぐるっつーか!」


「はい?」


八雲が、わけわからないこと言ってる。

不思議に思いながら八雲の顔を見つめると、その頬がほんのり赤いことに気づいた。


八雲も、もしかして照れてるの?

女慣れしてると思ってたのに……。


「俺、隠しても仕方ないから正直に言うけど、女の子とそれなりに遊んできた」

「うん……まぁ、噂はボチボチ」


そう言いながら、やっぱり八雲の口から聞くと胸がズキズキ痛いな。


「でも、本気で好きだと思った女の子はアンタだけだよ」

「へ……?今、なんて??」


今、八雲がものすごいことを口走ったような……。

あまりにも唐突で耳を疑う。


「おいっ、大事なとこなんだから聞いとけよ!」


「なっ!不意打ちすぎるだよ八雲が!!」


って、あたし達ってどうしてらいつもこんなコント調になっちゃうんだろう。


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