ソウル・メイト
その日の夕方7時過ぎに、元夫がマンションへやって来た。

「久しぶり」
「ええ・・あの、中に入る?」
「いや、いい。すぐ帰るから」
「あ、そう」

ついこの間まで、この人とは結婚していた仲だったというのに。なんてぎこちないやり取りだろう。
千鶴というつながりはあるものの、この人とはもう、完全に縁の切れた他人になっていた。

「話は和美から聞いた」
「だったら話は早いわね」と私は言うと、ハァとため息をついた。

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