マ王の花嫁 
いけない!
オープニングからこの調子では、すぐに偽者だとバレてしまうじゃないの!
しかも今の返事の仕方は姫としての気品が微塵もなくて・・・モロに素の私(メリッサ)だったし!

私はジョセフィーヌ。私はジョセフィーヌ姫・・・と心の中で唱えながら、緩やかな笑みを顔に浮かべた。

確かジョセフィーヌ姫は、こういう感じで微笑むのよね。

「申し訳ございません。長旅で少し疲れが出てしまったようで・・・」
「でしょうね。すぐに御部屋へ案内させましょう。仕度はそちらで」
「え?」

戸惑っている間に部屋へ通された私は、その豪華な内装に感心する暇もなく、あれよあれよという間にロドムーンの侍女たちから服を脱がされて湯浴みをさせられ、体の隅々まで綺麗に磨かれた。

赤の他人に体を洗ってもらう淑女(レディ)式湯浴みは、慣れそうにないわ・・・。

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