マ王の花嫁 
まさか、ライ様にキスをされるなんて・・・予想どころか想像すらしていなかった私は、驚きで目を見開いたものの、すぐに目を閉じて、ライ様の唇と、舌と、逞しい背中の感触を、唇と舌と手で感じ始めた。

「おまえには食事と休養をできる限り取らせるつもりだったが・・・もう抑える事ができん。おまえが欲しい」とライオネル様は言うと、トレイを脇に放るように退け、私を押し倒した。

そして、「今夜。一晩中・・・今まで抑えていた分、いや、それ以上・・・」と呟きながら、私の両脚に手を置く。

それに応えるように、私は自然と両脚を広げる。
ライ様は、私の腰を浮かせるように持ちながら、一気に最奥まで挿入してきた。

・・・私はライ様と出会う宿命だったのだ。
この人なら・・この人の、国王としての力量と、心の優しさがあれば、ラワーレの村人たちの窮状を救う事ができる。
事情はどうであれ、ライ様と出会った事は、ラワーレの村人たちにとって、母様が夢で言っていた、「未来を救う明るい光」になるはずだと、ライ様と一つに繋がっている間、私は確信した。

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