マ王の花嫁 
「おまえはドレンテルト王と親しかったのか」
「いいえ。3週間程前に王宮へ連れて行かれるまで、私は王宮内へ入った事もなかったですし、直々に会って話をしたことも、勿論ありませんでした。因みに、ジョセフィーヌ姫とも親交はありませんでした。今は亡き王妃様との子ではなく、しかも私の母様は、高貴な位を持つ女性ではなかったと思うので、私の存在を公にするわけにもいきませんし」
「そうか。やはりそうだろうだとは思っていたが」

どことなくホッとしている声音のライ様に抱きつくような恰好―――勿論私たち二人とも、布団の下は全裸姿―――で、私はライ様を仰ぎ見ながら、「何がですか?」と聞いた。

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