マ王の花嫁 
私たちを出迎えてくれた側近―――私の婚姻時に、ロドムーンへついて来た一人でもある―――は、緊張している態度を隠そうともせず(隠す余裕すら無かったのかもしれない)、私たち一行を、広間へ案内してくれた。
私たちが待つ事数分後。
ついにドレンテルト王が姿を現した。

ドレンテルト王は、最初、ライオネル様の方へ、確認するように視線を向けた。
次に、斜め後ろに控え立っている私へ、そのまま視線を移す。
咎めるようなドレンテルト王の視線を受けた私は、ライ様の袖を掴んで、壁のように頑丈な背後に隠れたい衝動に駆られたけれど、どうにかそれを抑えた。

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