マ王の花嫁 
「これはこれは!魔・・ライオネル王。まさかこんなにすぐ再会できるとは。驚き極まりない事だが、いや、嬉しいのは勿論の事。しかし、義理の息子が、我が王国へ訪問しに来るとは聞いてなかった故、ロクなもてなしの準備も出来ておらず。とにかく座って、葡萄酒でも一杯・・・」
「フィリップ翁はどこにいる」
「・・・は?」
「フィリップは無事なのですかっ?フィリップに会わせてくださ・・」
「勿論、フィリップ翁は無事のはずだ」

その、低く安定していて、いつもどおり優しいライ様の声音に、私の心に安堵感が広がっていくと同時に、一人、気が急いていた事に気づかされた。
そして、「この場は俺に任せろ」ともライ様に言われているような気がした私は、「そうですよね、出過ぎた振る舞いをして申し訳ございません」と、ドレンテルト王・・・ではなく、ライ様に謝った。

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