マ王の花嫁 
ライオネル王がニコと共にテラスの方へと移動しても、私は一人取り残されることなく、大きな輪に入ってステップを踏んでいた。
皆と共にパンと手を打ち鳴らす音、トントンと床を踏み鳴らす音が、大広間に響き渡る。

「お上手ですな、ジョセフィーヌ王妃」
「ありがとうございます。貴方もとてもお上手ですわ」
「ポルカを踊るのは初めてだけれど、型を気にしなくていいから気軽に踊れるし。とても楽しいのね!」
「そうですわね!」

踊っている皆を始め、演奏しているオーケストラも、指揮者も、皆笑顔だ。

席を外していたライオネル王は、すぐ戻ってきたけれど、その場の楽しい雰囲気に浸っていた私は、王の様子が前と変わった事に気づかなかった。

私は、王も一緒に楽しんでいるものとばかり、思っていた。

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