マ王の花嫁 
やっとライオネル王が、私の手首から手を離してくれた。
と思ったら、自分が着ていたブレザーを引き裂く形で脱いだ。
金のボタンが床に転がる音が、微かに私の耳に聞こえる。

一体この人は、どれだけ服を破れば気が済むの!?

続けて王が、黒いズボンを脱ぐために私から下りたのだと分かったので、ホッとした次の瞬間には、ますます焦りが募り始めた。

上体を起こした私を、全裸になったライオネル王がまた押し倒す。
想像したとおり、王は、ガッシリとした筋肉質な体躯をしている。
・・・そこに感心している場合ではない!

「ら、ライオネル王。もうやめて・・・」

涙を流して必死に抵抗をしている私の様子がおかしいと気づいたライオネル王は、やっと私の懇願を聞き入れて、動きを止めてくれた。

「おまえは・・・ヴァージンだったのか?恋人がいたのではないのか」
「だからフィリップは・・もうすぐ60になる老人で、うぅ、わたしを・・私にとって、祖父のような存在・・・です」
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