マ王の花嫁 
「おまえは・・・ヴァージンだったのか?恋人がいたのではないのか」
「だからフィリップは・・もうすぐ60になる老人で、うぅ、わたしを・・私にとって、祖父のような存在・・・です」

本当は、母亡き後、私を引き取って育ててくれた、父親のような存在だと言いたいけれど、そう言ってしまえば、私が偽者だと自ら暴露することになるし、フィリップの事をあまり詳しく話してしまうと、そこから私だけでなく、フィリップの素性までバレてしまう可能性がある。
すでにこれだけ話したことで、ライオネル王には十分過ぎる疑惑を持たれてしまったかもしれない。

少なくとも、今夜ライオネル王を殺すことは・・・それどころか、たぶん私は、もうすぐ王に殺されるだろう。

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