ハイスペックイケメンなんてお呼びじゃない!~バツイチナースは恋に無関心~
リビングに着くと子どもたちはリビング隣の子ども達の遊ぶスペースに向って行った。

リビングから見えるキッチンには美春と彼女の姿があり食事の準備をしているのが見える。


『航くんいらっしゃい!もうすぐ準備出来るから適当に好きな所に座ってて。』

『美春、お邪魔するよ。そうそう、これみんなで食べようと思って買ってきたケーキ冷蔵庫に入れてくれ。』


『ありがとう!
あ、いま、私手が離せないわ。』

どうやら焼き物しながらサラダを作っている様で手が塞がっている美春。


『葉月ちゃん受け取って冷蔵庫入れてくれる?』

『は、はい。分かりました。』

明らかな挙動不審。

初対面は緊張するタイプかな。
弥生ちゃんも照れてるのか隠れながらだったし。
母娘だなぁと見ていて和む。
そして近くで見れば見るほど素敵な彼女に益々惹かれていく。


キッチンとリビングの間にはカウンターがあるのでそちらに置くことにする。

まだ初対面距離感を間違えてはいけない。


ホントはとにかく可愛くて抱きしめたいくらいなのだけど。
そこら辺はまだ出さない。
俺はどうやら好きになるとベタベタと甘やかして愛したくなるタイプだったようだ。
今までそんな風に思ったことはないからびっくりするけどそれが自然だと思える。

人を好きになるってこんな感じなのか。
何て心地好くて満たされた気持ちになるのだろうか。
何が何でも彼女からイエスを貰って堂々と愛しさを現せる立場にならなければ。

『はじめまして、内海航平です。
ケーキこのカウンターに置くから。』
自然と浮かぶ笑顔で伝えると

『はい、分かりました。
はじめまして、私は小林葉月です。』

と少し固めの笑顔で答えてくれた。

警戒されてるかな。
弥生ちゃんに向けるようなあの柔らかな笑顔が見られるように頑張らなければ。

とにかく今日である程度警戒を解いて連絡先を交換して次に会う約束をするぞ。

なにしろ彼女に好意を寄せてる者が多数いるのだからゆっくりはしていられないのだった。
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