ハイスペックイケメンなんてお呼びじゃない!~バツイチナースは恋に無関心~
side航平

そうして車内も和やかに会話しつつ。

車で1時間程の隣県の水族館に着いた。

ここは巨大水槽が有名な水族館で土曜日の今日は家族連れが多くて賑わっている。


『わぁ、ペンギン可愛い!』

ペンギンの水槽に釘付けの弥生ちゃん。


『ホントに可愛いわね。』

そう言って並んで見ている葉月


『意外とスマートな感じだし泳ぐスピードは早いんだね』

そう俺が言うと
『ホントだね!泳ぐの早いし上手!でものんびりさんも居るみたい!』

そう返してくれた弥生ちゃんの視線の先にはプカプカ浮いて漂ってるだけの感じのペンギンも居る。

『面白いね。』

『うん!こうくん連れてきてくれてありがとう!』

キュッと小さな手が俺の手を握ってきた。

可愛くて仕方ない。

『喜んでもらえて良かったよ。さぁ、次の水槽見に行こうか?』
『うん!ママ行こう!』

そう言って俺と弥生ちゃんは手を繋いで歩き出しそれに葉月もついてくる。

『ふふ、本当に2人はすっかり仲良くなったわね』

そう言う葉月の表情は穏やかで俺と弥生ちゃんの関係を見て一安心なのか微笑ましそうに見ている。


『うん!私、こうくん好きだもん!』
『俺も弥生ちゃんの事好きだよ。』

『へへ///ありがとう。でもこうくんの一番はママでしょ?』

『うーん、葉月も弥生ちゃんもどっちも一番かな?
どっちも大切なんだ。だから順位つけらんないや』

そう、答えた。
どっちも大切な人。愛情の区別はあっても大切な事に差はない。

『そうなんだ。うん、嬉しい。ありがとう、こうくん。』

とっても嬉しそうな顔をしている弥生ちゃんをみて俺の気持ちは伝わったと思う。
それを見て葉月も微笑んでいた。


今日も3人の雰囲気は穏やかで和やかに過ぎていく。


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