ホームランを胸に ファースト
私は佐藤くんがこんな事言うとは思わなくてびっくりした。

「さ、佐藤くん?」

すると、葵が動き出した。

「あのな、俺も涼が大好きなんだよ!」

「「え...」」


「こんなつもりじゃなかったけど、好きな女が取られそうなの見たら男は動くだろ!」

「葵...」

「もう、いい」

佐藤くんは走って逃げていった。

「佐藤くん!!」

叫ぶと1度振り返り私に笑顔を見せて行ってしまった。

私にはキラキラ光る涙が落ちた気がした。
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