媚薬と私
雰囲気に隙がとは、例えば、会話の中に隙があったり、ちょっとした仕草に隙があったり
する事を言う。
ゆかりの場合、旦那さんに対する不満を僕に言っていた。
「何処にも連れて行ってくれない」
「私を女として見ていない」
このような事を、よく言っていた。
「何処かに行きたい」
という事も多かったので、
僕は冗談で、
「じゃあ今度、何処かに連れて行ってあげるよ!」と言った事が、僕とゆかりのデートの
始まりだった。
「日曜日はダメ!」
「平日がベストだけど、あとは祝日でも大丈夫!」
ゆかりは、そう言った。
ある時僕は、有給を取って、ゆかりと平日に、ある行楽地へドライブに出かけた。
もう20年近く前の事だ。
とても楽しかった為、今度は僕の方から、ゆかりをデートに誘った。
ある夏の日、二人で花火大会に行った。
僕はそこで、初めてゆかりと手をつないだ。
とても興奮した!!
暗い中、ゆかりの手の感触が、僕の体全身に伝わった。
もう、花火大会どころでは無かった。