最後の恋
私たちの関係はあれから表向きは専務と秘書。
プライベートでは恋人として甘い時間を過ごしていた。
だけど、本人の口から婚約者のことを聞く事はなかったし私も触れた事はなかった。
彼は私が婚約者のことを知っている事すら知らないかもしれない。
私と彼の間には、常に見えない壁が立ち塞がっているのだ…。
それは、今も昔も変わらない。
そして、私がその壁を超えて向こう側に行ける日は来ないし、勿論その逆もありえない。
20代も後半に入って、結婚もできない相手と本気の恋に落ちるなんて他人から言わせれば私のやっている事は時間や全ての無駄でしかないのかもしれない。
だけど彼に再会してしまった時点でこうなる事は、どう足掻いても逆らうことができない運命の様なものだったのだと思う。
それくらい彼に落ちていたーーー。