最後の恋
「ところで、一ノ瀬専務とはどう?」


いきなり、彼の名前が出て一瞬意味を計りかねた。


だけどすぐに、室長はただ仕事面で上司としての彼との事を聞いただけだと気を取り直す。


「…え…。あ、一ノ瀬く…専務とはそれなりに上手くやれていると思ってます。上司として彼は尊敬できる方ですから。」

「…そう。なら良かった。」


間違えて、くん呼びしそうになった。


室長に気づかれていなければいいけど…。


「変なこと聞くけど…」


室長の様子に心臓が不穏な音を立て、ザワザワと心が落ち着きを無くし始める。


「……はい?」

「専務と松野さんって…何かあるの?」


背中を嫌な汗が流れ落ちた。
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