最後の恋
出る事が出来なくて鳴り止むまで、放置したその音は暫くするとピタリと止まった。


フーッと大きな息を吐いた。二人は一緒にいるんじゃないの…?


テレビを消して、お風呂に向かおうとソファから立ち上がると今度はメッセージ受信したようだ。


もしかしたら、彼女かもしれないと思うとやっぱり今はまだ開いて見る気にはならなかった。


今はとてもじゃないけど、何もなかったように彼女と会って話すことは出来そうにない。


この先、私は一ノ瀬君の秘書をやり続けることができるのだろうか?


まして、婚約者である紫乃と彼が結婚した後は……?


それでも今まで通り彼のそばで平気な顔をしていられるだろうか。


ううん……私にはきっと出来ない。


彼と関係を始めた時は、いつか来るこんな日を覚悟していたはずなのに。


入社して4年、今の仕事にやり甲斐も感じているし同僚にも恵まれている。


だから本当はずっと続けたいけど、先の未来を見据えると転職という言葉が頭をよぎる。
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