最後の恋
好きな人なのに、私は何もしてあげられない。


その事実が切なかった。


せめて、自分が同性の友達だったら…


一ノ瀬君の話を聞いて、何かを言ってあげられる事くらいはできたかもしれないのに。


それすらも叶わない。


私たちの関係はただの席が隣のクラスメイトで


ただの同じ図書委員で


一ノ瀬君の恋人?である紫乃の元友人で……だから、一ノ瀬君が紫乃の事で思い悩んでいるのだとしたら、彼が一番相談できない相手は私なんだと思った。


その結論にたどり着いた瞬間、時間が経って少しだけ…ほんの少しだけ忘れかけていた胸の痛みがジワジワと広がり蘇ってきた。


痛みを訴えるその場所は、友達とさえ思われていなかったのかもしれないという…忘れたい傷跡。

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