最後の恋
「へぇ、そうなの〜?」


……? 私が一ノ瀬君のお世話をした事なんてあったっけ。ただ単に庇ってくれただけかな。


「同じ図書委員の仕事も松野さんから全部教えてもらったしね。あとは、消しゴムを貸してもらったり…教科書見せてもらったりとか。」

「アハハ、確かに消しゴムって忘れるよね〜。」

「うん、一度は筆箱ごと忘れて全部借りたこともあった。」

「ていうか忘れ物多過ぎ〜(笑)」


一ノ瀬君は反対側に立っていた美優と楽しそうに話していた。


そう、だから私の筆箱の中にはいつの間にか一ノ瀬君用の消しゴムとシャーペンが常備されるようになっていた。


『…委員会も同じで、席も隣なんだ?』


私にしか聞こえないような小声で、タケがボソッと言った言葉に、私は小さく頷いた。


「杏奈はいいなぁ〜。私も一ノ瀬君と同じ学校に通いた〜い。ていうか、一ノ瀬君ってやっぱり彼女いるの?」


美優のその言葉に、心臓が大きく揺れるようにドクンッ‼︎ と不快な音をたて始めた…
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