幸せになってもいいですか?



「紗枝さん」


いつものように出社し
エレベーターに乗り込み
フロアへと足を踏みいれようとした時
後ろから腕を引っ張られ
そのまま、ズルズルと死角になるスペースへと押し込まれる


どうやら、待ち伏せをされていたらしい
私を逃さないとばかり
至近距離で目の前に立つ久慈くん


『お、おはよう』


私の挨拶を無視して
久慈くんはどういうことか
説明してくれと言ってきた
ん?となんのことかと聞き返す


「辞めるってどういうことですか?」


あー、そっちか
辞表を出していたことを
すっかり忘れていた
でも、久慈くんだからと言って
それを説明する理由はない


『辞めたくなったからよ』


それだけ行って
久慈くんをかわそうとするが
なかなか逃がしてくれない

< 107 / 128 >

この作品をシェア

pagetop