どんな君でも、愛おしくてたまらない。



ポカンとしてるわたしに、皆瀬くんは笑みを浮かべる。


さ、サボるって……。

どういうこと?



よく理解できていないわたしの左手を、皆瀬くんの右手が掴んだ。



「行こ!」


「え?えええっ!?」



走り出した皆瀬くんに引っ張られるがまま、歩いてきたばかりの廊下を走る。



今はあまり周りの視線が気にならないのは、なぜだろう。


皆瀬くんと一緒だから?




学校を抜けて、昨日雨が降ってびちょびちょな道を駆けていく。




不思議だな。



さっきまで硬直していてちっとも動かなかった足が、一歩、また一歩、前に進んでる。


金切り声を上げていた弱虫な気持ちが、しぼんで、溶けていくのがわかる。



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