溺愛執事に花嫁教育をされてしまいそうです
それは夢の中のこと……【業間休憩、もしくは20分休憩】
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少しだけお知らせ&宣伝(後ほど削除させていただきます)


いつも拙い私の小説を、お読みいただきありがとうございます。
更新速度が遅くお待たせばかりですみません。


8/10に初めて出版していただいた書籍
「王立魔法図書館の[錠前]に転職することになりまして」
(ティーンズラブの、異世界ファンタジー小説です)

を竹書房様より、発売させていただきました。
そちらの方のアレコレでバタバタしていて、
なかなか落ち着いて小説の続きが書けていません。

亀更新でも続きを書いていきたいと思っておりますので、
今後とも、お付き合いいただければ幸いです。

また書籍化について、
ご興味を持っていただけましたら、
私のプロフィールより、
HPか、ツイッターなどをご覧いただければと思います。

宣伝兼ねて失礼いたしました。
今後ともよろしくお願いいたします。


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 ──ありすは夢の中で『しゅんくん』と久しぶりに会っていた。

「しゅんくんっ」
 ありすが声を掛けると、
しゅんくんは木の上で長い足をぶらぶらと揺らす。
「…………」
 言葉は返ってこない。
ありすは木の上にいるしゅんくんが気になっていて仕方ない。

「ねえ、何しているの?」
「景色を見てる……」
 どこか夢見がちな声が薄闇の中から聞こえてきた。

「ねえ、そっちに行きたいのっ!」
 下から声を掛けると、小さく笑う声が聞こえる。
「仕方ないな。そこに足を掛けて。引っ張ってあげる」
 その声を頼りに、ありすは横に伸びた太い枝に足を掛けた。
普段と違う綺麗なワンピースは木登りには邪魔だけど、
何とか体を持ち上げると、
大きな手がひょいと伸びてくる。

昏い中で柔らかい視線がこちらに降ってくる。
しゅんくんは目を細めて笑っていた。

「ほら、こっち」
 ぐいと引っ張り上げてもらう。
ありすよりずっとお兄ちゃんのしゅんくんには、
ありすの体を持ち上げることなんて雑作もない事らしい。

「落ちたら危ないから、そこに大人しく座っててね」
 そういうと、彼は少し腰を浮かし、
自分が座っていた幹と幹の間の少し広くなっていて
安定した場所に彼女を座らせ、
その後ろからありすの体が落ちないように、
包み込むように座って、緩くありすの腰のあたりに手を回す。
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