友 ~雲外に蒼天あり~
「珍しいとこで会うもんだな」

「そうだな」


倖が屋敷にいて

倖の周りには、たくさんの浪士が倒れ
僕らが追ってきた者は、腰を抜かしていた


「まさか、お前ひとりで?」

「他に誰かいるか?」


土方さんをチラリと見ると

不機嫌そうに眉間に皺が…


「ここは、長州浪士の隠れ家だな
んで、そこのもそうか?」

土方さんが頷く


倖は、間者を立たせ壁に押し付ける


目に短刀を突きつけ

ジッと睨んだ


「お前は、どういう役回りだ?」


「新選組に潜み情報を得て報せていた
た…助けてくれぇ」


「何か収穫はあったのか?」


「そこの… 土方と近藤は、仲違いをした
コウとかいう奴がどうとかで
沖田が仲裁していた」


「他には?」


「知らない!知らない!」


「そう」


「うわぁーーーーーー」


倖は、情報を引き出し

目を刺すと見せかけ気絶させた


「密偵には、不向きな奴だな
ペラペラ喋るし、気が小さい」

「なぜ情報を聞き出そうとした」

「どうせ聞こうとしてたんだろ?
私は、新選組の調査を依頼されたと
言ったが、聞いてなかったか?」

「聞いてねぇな」


土方さんが僕をギロッと睨む



「勇も知ってるぞ」


「いさっ 勇ってなぁ!!
お前年下だろうが!!」


「総司も歳を気にしてたが
歳など私には、関係ない」







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