モテ男の桐谷くんと地獄の罰ゲーム




「なあ、雪。俺さ、人生で一番したらダメな事は”何もしない事”だって思うんだよ。何もしない事で後悔したくないんだ」




「それでも、何もしない事が相手の為になる事もあるよ。私は意地悪で言ってるワケじゃないよ! 今は”洸平の何もしない事”より”桃花ちゃんの何もしない事”の方が大事なんだよ!」



「はあ!?ふざけ――」



「”過去は変えられないけど、過去を塗り替える努力はできる”って洸平に言ったよね!? 最低最悪な男との過去をそこまでイヤじゃないモノに塗り替えさせてあげなよ!! 桃花ちゃんのマイナスをプラスに変えてあげなよ!」



それでも、マイナスがプラスになりまくって、二人が付き合っちゃったらどうするんだよ!!




やっぱり無理だ。今の状況が分かってるのに何もしないなんて俺にはできない。




バッシュのまま体育館を出る。



そのまま走って、走って……………



やっとフラワーカフェに着いた。



外から窓をのぞき込むと
ちょうど俺が見える位置に座っていた。


何かを必死に相沢に話す由弦。



そして、次の瞬間相沢は嬉しそうに泣いた。



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