モテ男の桐谷くんと地獄の罰ゲーム





由弦は笑いながら相沢の頭を優しく撫でていた。




――遅かった。もうだめだ。



今から二人の間に割って入っても、俺は邪魔者でしかない。


何か行動に移したとしても、俺は相沢を手に入れる事なんてできなかった。



せっかく大切にしたいヤツに出会えたのに。



せっかく側にいてほしいヤツに出会えたのに。




でも、雪のせいなんかじゃない。



俺が相沢の心を振り向かせる事ができなかっただけだ。




結局、罰ゲームにしても、どれだけ相沢に尽くそうとも、なんにしてもつきあえない運命だったんだ。




もう、いい。
もう……………




とりあえず雪に『相沢、由弦と上手くいったらしい』とだけLINEを送った。



もう、誰も好きにならない。
こんな想いするくらいなら、もう恋愛なんてしない。




もう、誰も求めない。




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