モテ男の桐谷くんと地獄の罰ゲーム
玄関を出ると思わず『うわっ!』と声を出してしまった。
桐谷くんが堂々と、家の玄関前にしゃがみこんでいた。
まあ、桐谷くん来てから荷物詰めたり、お母さんにお小遣い貰ってたりしたから待たせ過ぎたなと反省する。
「相沢遅い!!」
「ご、ごめん……」
まだ玄関前なのだから、お母さんに聞こえてもおかしくない。『お母さんに喋り声聞こえるから』と、"シーッ"と言うと、桐谷くんは慌てて口を塞いだ。
そして、私を見るなり、
「つーか、スウェットって………」
笑いを吹き出した。
スウェットは失礼すぎたかな………と、今更自分の格好を気にしていると、
「まー、相沢らしくていいか!」
そう言って、私の手から
ヒョイッと荷物を奪う。