もう一度、あなたに恋していいですか
「ミルクと砂糖はどうしますか」
先生は珈琲を入れながら私に尋ねる。
「多めにしてください」
「わかりました」
先生はミルクと砂糖を入れてから、マグカップを私の前に置く。
「はいどうぞ」
「ありがとうございます」
私はマグカップを手に取り、珈琲を一口ほど口に含む。
あ、美味しい。
「やっぱり双子ですね」
先生は自分のぶんの珈琲を注いでから、窓際の先生のデスクの椅子に座る。
「何がですか?」
「柏木美々さんもミルクと砂糖多めって言っていたので」
「そうですか」
時計の音だけが部屋の中に響く。
気まずい空間。
どうやって切りだそう。
私が切り出すタイミングを見極めていると、先生の方が先に口を開いた。
「好みはやはり似ているんですか。食べ物とか飲み物とか」
「そうですね。食べ物とかは好みはほとんど同じですね」
「好きな人の好みも同じなんですね」
「そうですね。好きな人の好みも………ん?」
私は西條先生の言葉に耳を疑う。
今、この人何て言った?