もう一度、あなたに恋していいですか

「ミルクと砂糖はどうしますか」

先生は珈琲を入れながら私に尋ねる。

「多めにしてください」

「わかりました」

先生はミルクと砂糖を入れてから、マグカップを私の前に置く。

「はいどうぞ」

「ありがとうございます」

私はマグカップを手に取り、珈琲を一口ほど口に含む。
あ、美味しい。

「やっぱり双子ですね」

先生は自分のぶんの珈琲を注いでから、窓際の先生のデスクの椅子に座る。

「何がですか?」

「柏木美々さんもミルクと砂糖多めって言っていたので」

「そうですか」

時計の音だけが部屋の中に響く。
気まずい空間。
どうやって切りだそう。

私が切り出すタイミングを見極めていると、先生の方が先に口を開いた。

「好みはやはり似ているんですか。食べ物とか飲み物とか」

「そうですね。食べ物とかは好みはほとんど同じですね」

「好きな人の好みも同じなんですね」

「そうですね。好きな人の好みも………ん?」

私は西條先生の言葉に耳を疑う。
今、この人何て言った?

< 101 / 145 >

この作品をシェア

pagetop