もう一度、あなたに恋していいですか


「寧々、美々おはよーっす」

金曜日の朝、昴はいつもより10分遅れて家を出てきた。

「ちょっと昴、遅い!遅刻したらどうするのよ!」

寧々ちゃんは朝からぷりぷり怒っている。
今日の1限目に小テストがあり、朝ははやく登校して勉強したいと言っていたからだろう。

「悪い悪い。ちょっと寝坊してさ」

「テスト勉強したかったのに最悪!」

「ごめんって、今日の昼飯おごってやるからさ」

「本当?じゃあ私と美々と二人分ね」

「まじかよ~しゃーなしな」

あ、また髪はねてる。

昴の後ろ髪は相変わらずはねている。
寧々ちゃんに直してほしいからわざとじゃないかってくらい毎日。

私も昴の柔らかそうな髪に触れてみたい。
またこんなことを考えている自分がいるんだ。

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