もう一度、あなたに恋していいですか
「どんな人か知ってる?」

「うーんとね、変人かな」

やっぱりそうなんだ。

「髪はいっつもぼさぼさだし、寝癖つきまくりで見た目は全然気にしてないし、女子がダサいって噂してるよ。一番はデリカシーがないの!私も失礼なこと言われたし」

玲奈はそのときのことを思い出したのか、感情的になって怒りをあらわにしている。

「トイレから出たときにさ、偶然西條が通りかかったの。お辞儀して通りすぎようとしたら呼び止められてさ、何て言ったと思う?」

「何て?」

「”スカートがあがってますよ”って。それだけで恥ずかしかったのにさ、さらに続けて”ベージュよりもピンクや白のほうがいいですよ”って!余計なお世話よ!セクハラで訴えようかと思ったわ」

「それはセクハラと言われてもおかしくないね…」

あの先生なら言いそう。
やっぱり変わった人なんだな。
玲奈や学校の女子からは、西條先生は変人で失礼なことも平気で言う人だと思われているようだ。

でも私のことを慰めてくれたし、失礼なことを言っているのは本音で言っている証拠だと思うし、私はきらいじゃない。

むしろ先生ともっと話してみたい。
そう思った。
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