もう一度、あなたに恋していいですか
放課後。
私の足は自然と保健室に向かっていた。
寧々ちゃんは委員会会議、昴は部活なので今日の帰りはひとりだ。
西條先生、いるかな。
そう考えるとだんだん早足になっていく。
そして保健室の前に着くと、少し息を整えてから扉に手をかけた。
「失礼します」
保健室に入ると、先生の姿は見当たらなかった。
私はふうっとため息をつく。
いま席を外しているようだ。
タイミングが悪かったかな。
保健室の奥に足を向けると、左側にあるベッドに人影を見つけ思わずびくっとする。
え、先生…?
ベッドにいたのは西條先生だった。
しかも寝転がって、眼鏡をかけたまますやすやと寝ていた。
仕事中なのに寝てる…
疲れてるのかな。
そっと近づいて先生の寝顔を見つめる。
いつもは眼鏡で見えない素顔が、いまなら見える気がした。
綺麗な肌。
くるんとした長いまつげ。
眼鏡をとったらどんな顔をしているのかな。
私はゆっくりと先生の眼鏡に手を伸ばす。
眼鏡に手をかけた、そのときだった。