もう一度、あなたに恋していいですか
「先生の下の名前は何て言うんですか」

「優しいと書いて”優(すぐる)”です」

「そうなんだ。なんか先生っぽい」

「そうですか?よく似合わないって言われますよ」

「じゃあ次。何で先生は人の名前をフルネームで呼ぶんですか」

「ああ、昔からの癖ですね。特に意味はないですよ。嫌でしたか?」

「そういう訳じゃないですけど、呼びにくいし長いじゃないですか」

「特にフルネームで呼びたいわけじゃないのですが、長年の癖はなかなか抜けないんですよ」

「じゃあ次。何でいつも髪がぼさぼさなんですか」

「直球ですね。朝は家を出るまでギリギリまで寝たいからです。出掛ける前は最低限の身支度で済ませたいので、髪を整えるという行為は最低限の身支度から外れます」

「髪を整えることも大事ですよ。ほら、ぼさぼさだと女の子受けが悪いし」

「特に女の子にモテたいわけではないのでいいんです」

「もったいない。眼鏡外して、髪も整えたらモテると思うのにな」

「コンタクトレンズは目への影響が怖いので、眼鏡のほうが安全ですし、気に入っています」

「じゃあ次。何で私と寧々ちゃんの区別がつくの?間違える人も多いのに」

今朝もそうだったけど、何で私だとわかるのだろう。
見た目は寧々ちゃんとまったくと言っていいほど同じなのに。
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