もう一度、あなたに恋していいですか

それからは週に何度か保健室へと足を運んだ。
その度に先生と色んな話をして、珈琲を御馳走してくれた。

先生には何でも話せる気がする。
昴のことも、誰にも話したことのない心のうちも。
良い相談相手のような存在になっていた。




「美々、一緒に帰ろうぜ」

放課後の教室掃除が終わり、誰もいなくなった教室で昴が私の机の前まで来てそう言う。

「あー…ごめん!今日はちょっと。また明日一緒に帰ろう」

そう告げて私は教室を出ようとする。

「…また保健室にいくのか」

昴がそう呟くのを聞いて、私はドアの前で立ち止まる。

「え…」

「また西條のところ行くのか」

昴は睨むような鋭い目付きで私を見つめたまま、ゆっくりと近づいてくる。

「なんで知ってるの」

いつもと違う昴の雰囲気に、私の心臓は鼓動がはやくなる。
昴怒ってるの?

「この前部活で転んで膝擦りむいたから、保健室に行ったんだ。ドアの前まで行ったときに声が聞こえた。美々と西條の声が」

聞かれていたんだ。
まさか昴が好きだってこと、聞かれてないよね?

「仲良かったんだな、西條と。接点なさそうだったから意外だった」

「…まあ」
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