もう一度、あなたに恋していいですか
「あれは絶対、男ができましたね」

山田くん、妙に鋭いな…。
そんなこと口が裂けてもいえないけど。

「さあ、どうなんだろうね」

前よりも明るくなった。
それは確かにそうだと思う。

まわりと距離を置いていた彼女だったが、最近は女子社員と食事に行くこともあるそうだ。
前は全員が帰ってからまた出勤してなんてこともしていたが、最近は終わるまで残って仕事をしている。

どんどん綺麗になることは嬉しいが、他の男が放っとかないよな。
彼女からしたら俺なんておっさんだし、若い男のほうがいいとか言い出したらどうしようか。

ああ、妬けるな。

結婚しているのに彼女と付き合う俺はずるい男だ。
そんなこと言える立場じゃないのに。

彼女を失いたくない。
そんな気持ちがますます膨らんでしまう。

もう、どうしようもない。
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