もう一度、あなたに恋していいですか
「昴…」

「寧々、大丈夫か」

昴が心配そうな顔をして、私を見ている。

「大…丈夫よ」

「あいつが寧々を好きかわからなかったけど、なんとなくそう感じていじったら、当たっちまった」

「…そう」

その点に関しては、私はどう反応していいのかわからないけれど。

「仕方ないとはいえ、あいつには悪いことしたからあとで謝っとくわ」

「あり、がとう…」

「嫌な思いさせてごめんな」

そう言って昴は私の頭をぽんぽんする。

あれ。
昴ってこんなに男らしかったっけ?
いつも何かと頼ってくる、弟みたいに手のかかるやつじゃなかったっけ?

「ん?どうしたんだ寧々」

昴がいつもより格好よく見える。

え。
もしかして私…?

「寧々?」

昴のこと、好きになっちゃった?

これが、私の中で昴が”弟”から”異性”へと変わった瞬間だった。
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