恋愛預金満期日 
 部長がゆっくりと拍手を始めた。

 その拍手がやがて、レストラン中に広がり、僕はようやく頭を上げる事が出来た。


「一体、何が起きたんだ?」

 部長が驚くのも無理はない。


「なんか、とっても素敵な運命のようね。食事でもしがらお話し聞かせて下さる?」

 奥さんの優しい声に、僕と彼女は席に着いた。

「夏樹ちゃんの紹介の準備をして来たんだが…… いらんようだな」

 彼女のおじさんは、一度出したメモを内ポケットに戻した。


「そのようですね……」

 部長も、僕と彼女の顔を交互に見た。


「それで、どういう事なの?」

 奥さんが身を乗り出した。



「何からお話しすれば…… すみません。まず、僕は彼女に謝らなくてはならないんです」

 僕は彼女を見た。
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