取り戻したい・・愛

✫✫陽子


やはり、大賀だった。

あの男が絡むと
ろくな事はない。

史華。
海愛を護ってね。
あの子は、きっと
風香のために
身をひいたんだ。

あんなに、大好きだった
陽翔君から離れて・・・・

でも、行き先は大体はわかっている。

海愛のあの文章で・・・

だが、また私は、張られているだろうから
簡単には動けない。

どうか、お願い
海愛、元気でいてよ。

私は、島の恩師に
「海愛がそちらに行くと思うので、
来たら連絡を下さい。」
と、手紙を出した。

少しして 恩師から、
「任せなさい。」
と、返事がきた。

今の島の様子や
史華のお墓の情態が
一緒に書かれていた。





その恩師から
連絡が来たのは
海愛が、陽翔さんから
離れて三年が過ぎていた。


その間の
大賀陽翔の噂は最悪だった。

安西財閥は、嫌というほど
たたかれたようだが
ギリギリで潰さなかったようだ。

今は、海外に脱出している。

私も出国前に風香と安西夫妻にあった。

風香を目にして
頬をはり
「風香。
先生は人を脅すような子に
あなたを育てた覚えはない。
施設には、もっと辛い思いをしながら
生活している子供達が沢山いるの
知っているよね。」
と、言うと

安西さんが
「風香を責めないで下さい。
元は、私の戯言を風香ちゃんに
聞かれたから、いけないんです。
風香ちゃんは、安西家に馴染もうと
頑張ってくれていたのに。」
と。
「お養母様・・・
陽子先生、ごめんなさい。
私、自分の事で精一杯でした。
海愛は、まだ?」
と、言うが
「これからは、お養父さん、お養母さんと
幸せに暮らしなさい。
海愛は、まだみつからないけど
あの子は、大丈夫だと
信じてる。」
と、言った。

風香、あんなに大事にされてるじゃない。
幸せになってね。
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