取り戻したい・・愛

✫✫望んでない




「·····よう····こっ······せんっ···せい·····」
「 ··海愛·····良··かった····」
と、私が言うと
海愛の瞳から涙が流れた。

陽子は、海愛の手を両手で
握り締めて泣いた。

それから、ナースコールを
しようとしたら

海愛が・・・

「·······先生っ···まっ·····て。」
「でも、海愛、知らせないと。」
目覚めたばかりで
しゃべりづらそうに
していたが・・・

陽子は、海愛が話すのをまった

すると·····海愛は
 たどたどしく······
   だが‥‥‥話しだした。


母親である史華に会った事

史華が勝手に春仁を愛しただけだから
美津を許してあげて
と、言った·····事。

海愛は、
私がそばにいたら
美津は、また苦しむ
そんなことを母は望んでいない
なら、私はここにいてはいけない。
春仁は、陽翔を
本当の子供のように大事にしている
陽翔とは、離れなければ。

陽子は、やるせなかった。

どうして、この親子は
こうして苦しまないと
いけないの····か······と。

純粋に人を愛しただけ
心優しすぎる。
「海愛‥‥みうっ‥‥
  ・・・あなたって子は・・」
陽子は、泣いた。

  海愛を抱き締めながら・・

しばらくして
「海愛。本当に、良いのね?」
と、尋ねると
海愛は、コクンと頷いた。

「どこまで・・・あなた達
   親子は・・・優しいの・・・」

陽子は、たまらない気持ちだった。

だが、やるなら今日しかない。
明日は、陽翔が海愛につく事になっていた。

外には、護衛もいる
海愛は、三年目も寝ていたから
歩けないだろう。

陽子は、史華と一緒の時に
もらっていた睡眠薬を
護衛の飲み物にまぜて
眠らせてから海愛を運びだす。

父と母に協力してもらう

直ぐに船で海外に行く手はずを取った。

国内では、大賀の力で捜しだせるから

船でイタリアに向かう
海愛は、船の中で
リハビリをすることにした。

チケットを購入したときに
その事は話をした。

海翔は、連れていく。
私も一緒に行く事にした。

海愛は、迷惑かけるから
と、言うが
行かない方が心配で
仕事にならない。

幸い、両親とも
まだまだ、働けるから
しばらく海愛のそばにいて
帰国する事になった。
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