取り戻したい・・愛

✫✫四年前②


= 四年前**② =


イタリアの地に降りたったとたん
黒服に取りかこまれた。

じりじりと、つめよられて
「なんなの?あなた達は?」
と、陽子さんが私と海翔の前に出る。
黒服の人達は、なにも言わない

そのとき、道ができた。

「えっ、陽翔君?」
「「陽翔さん・パパ?!」」

「海愛、何度俺から逃げるつもりだ。」
と、陽翔が言うと
パッと、海愛の前に両手を広げて
海翔が出てきた。

「ママは、僕が護る。
   陽子ちゃんと約束した。」
と、海翔。

みんなびっくりしたが
陽翔は、
「海愛は、俺の女だ。
     俺が、護る。」
と、言うと
海翔の頭を撫でて
海愛を抱き締めた。

「·····ごめん·····なさ····いっ·····
  ·········ごめんっ······なさい····
陽子先生は、何も悪くないの
私が、お願いしたの。」

「わかっている。
だが、俺じゃ、頼りにならないか?
俺は、海愛のなんなんだ?
なぜ、いつも陽子さんなんだ?

 俺が要らないなら
    この場で俺を殺せ!!」

「「陽翔君!!・ 若!!」」

「・・・・・・・・・」

「どうなんだ、海愛?」

「······殺す······なんて·····
  ······でき·····るっ····わけ···ないっ··」
 首を何度も横にふり
 泣きながら訴える海愛·····

 悲しげな、苦しげな表情をしながら
 海愛の涙を親指で拭く陽翔

「親父の気持ちや
  姐さんの気持ちを
      考えてだろう?」
と、言うから

海愛も陽子先生も、
    驚いて陽翔をみ見た。
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