おはようからおやすみまで蕩けさせて
カクン…と項垂れたのを了解の意味に取られ、勘違いをしたままの彼に抱き留められた。



「結実…」


ぎゅっと胸に収めらながら匂いを嗅ぐ。

今後のことは不安しかないけど、きっと大丈夫な筈だ。


この腕の中にいる限り、私はきっと幸せになれる。

願う形とは少しばかり違うけど、きっと満たされた毎日を送れる。


だから、信じてみよう。

彼の溺愛に思いきり甘えてみよう……。



「天宮さん…」


ぎゅっと背中を抱きしめた。


初めての夜と同じように、ずっと幸せな気持ちでいられるんだと思った。

一抹の不安なんて今だけで、新しい生活が始まれば消えると思ったーーー。



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