おはようからおやすみまで蕩けさせて
「何も知らない人に別居とか言って欲しくないです」


私の言葉に首を捻った彼は、「ああ、さっきのこと?」とニヤついた。


「いいじゃん、本当のことなんだし。君は俺に浬を預かってと頼んだから、預かる以上は俺も好きにさせて貰うよ」


鼻でせせら笑うようにした山本さんにムッとして睨むと、彼は唇の端を持ち上げた。


「嫌なら預からなくてもいいよ。でも、浬が帰りたがるかな」


「どういう意味ですか!?」


さっきの「連れてく」と何か関係アリ?
一体何をするつもり?


「浬からは君の願う通りにしてやってくれてと言われたからさ。それに今夜は合コンに連れて行くつもりだし」


「合コン!?」


「うん、営業部の女子達にセッティングを頼まれてて。奴を連れて行くと流したら女子達は相当喜んでたなぁ〜」


それが、さっきの「いいの?」に繋がるのか。
あの子もメンバーなんだ。


「天宮さんは行くって言ったんですか?!」


「うん。まぁね」


まぁね!?


「ウソ…」


「嘘ついても仕方ないだろ。結婚してるからって、合コンに出たら駄目とかいうのはないもんな」


「な…」


ないけど、フツーは友人がそういうのには誘わないでしょ!?


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