おはようからおやすみまで蕩けさせて
「あいつも案外乗り気みたいだったよ。久し振りに女子と飲み会って嬉しいんじゃない?男って奴は結婚しててもやっぱりモテたいから」


天宮さんに限ってそんなことない。
そんなことないって思うのに…。


目の前で山本さんが言ってることが全部ウソだと否定できない。
だって私の為に彼はずっと気を遣ってきたし、それなのに私は彼を拒否してる。

疲れてるのを理由に「一人にさせて」とか「話したくない」とか言ってしまった。

それを天宮さんは理解して、山本さんの部屋に住むと自分から言ってきた。
私が先に我が儘を言ったんだから、彼のやることに一々口は出せない。
第一合コンに出たからって、彼が他の女子に手を出すとも考え難いし、山本さんが一緒ならきっと止めにも入ってくれる筈……。



「どうする?預かるのは止める?」


こっちは止めても構わないという態度で問い直された。

私は黙りこくったままで迷う。
疲れてるのは確かだし、今朝のことを思うとムカムカと腹も立ってくる。


無言で悩んでいたら「いいよな」と言い渡されてしまった。


「浬にも嫁さんから許可が出たって言っとくよ」


ケラケラと笑いながら手をヒラヒラと振って去る。
その背中を見ながら、なんとも言えない不満が募った。


私……天宮さんを合コンに参加させたいの?
自分のいない所で彼が何をしても平気?


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